脳を育てよう!親子で赤ちゃん体操‼︎(2〜4ヶ月)

追視

脳の80%は1〜3歳に完成します。効果的に脳を育てるには月齢に合わせた運動が効果的!

月齢の低い赤ちゃんは自分で考えて行動することができません。赤ちゃんが『人間らしく考え行動する』ことが出来る様になる為には、脳の中でも〝大脳皮質〟の発達が重要です。

中でも大脳皮質の“前頭前野”は頭の良さに繋がるとされ、この部分を幼少期に積極的に育てていくことがその後の成長の基盤になります。

脳の仕組み

大脳皮質や前頭前野を効果的に鍛えるのはどうしたらいいのか?

それは“脳の発達に合わせた運動をすることです。

  

生後2〜4ヶ月ってどんな時期?

生まれた直後は未成熟だった脳(大脳皮質)の発達が進み、原始反射を駆使して周囲へ対応していたのが、自分の意思で動こうとし始めます。

首も座り始めるので、興味がある物を目で見て手を伸ばそうとします。

自分の手足への認識がなかった赤ちゃんが体に興味を持ち始めるのもこの頃です。赤ちゃんが自分の手をじっと見つめる『ハンドリガード』は、体を認識するための代表的な過程です。

ハンドリガードって何?やらないとダメ?

自分の体への認識ができると、実際に手を伸ばしてモノを掴み、それを口へ運んでなんでも舐めてしまう時期に入ります。

なんでも舐めるには意味がある‼︎

赤ちゃんが手を使えるようになると、手で握った物を口に持って行く動作を繰り返し、なんでも舐めてしまうことを衛生面で心配することも多いと思います。

しかし、この赤ちゃんが握った物を口に持って行き舐める行為は大脳皮質を発達させる為に効果的な動作なのです。

大脳皮質は体の各部分と繋がりがあり、体を動かすことで対応した脳の部分が刺激され発達していくようにできています。特に手・口・舌を使った動作は大脳皮質を効果的に刺激し発達を促すことができます。

赤ちゃんが周りのものをなんでも舐めてしまうのは、舌を使い舐めているものの情報を脳に届ける大事な動作だったんです。

したがって、生後2〜4ヶ月は興味があるものに手を伸ばしやすい環境を整える事が脳の発達を促すポイントになります。

興味や探究心を引き出し自発的に動くきっかけを繰り返し与えよう!

興味や探究心を引き出し自発的に動くきっかけを繰り返し与えよう

生後2〜4ヶ月『脳を育てる』4つの親子体操!

赤ちゃんが動き出す過程として

目で物を見る→目で物を追う(追視)→首が動く(首が座る)視野が広がり手を伸ばす手で握った物を口に運び脳に刺激を届ける→手で物をとるために寝返る→ずり這い・ハイハイ・立ち上がりといった順序で行動範囲を広げていきます。

赤ちゃんが動き出す過程

生後2〜4ヶ月の時期は、興味がある物を見つけて手を伸ばし情報を得ようとする時期です。この動作を促す運動を行っていきましょう。

①目で追う動作(追視)を促しましょう

生後2〜4ヶ月に入ると動く物を目で追う(追視)ことを始めます。追視と共に視力も向上し、最終的には見てる物に手を伸ばすことが出来るようになります。

目の動きは大人になっても体を動かし始めるきっかけになる動作なので、本人の興味のあるものなどを利用し追視動作を促していきましょう。

メリーやモビールなどを見えるところに配置することや、赤ちゃんの視野が確保できる状態でお気に入りの玩具、はっきりした色の物に目線を合わせ追いかけさせるなどが効果的です。

メリー

②素材や形の違うものを触らせてあげましょう‼︎

大脳皮質を発達させる上で、手で物を握ったり触ったりする感覚を養うことが重要です。固い物や柔らかい物、触り心地に変化をつけるなどして手で感じた刺激をたくさん脳に届けていきましょう。握った物を口に運んで舐めても構いません。口に運ぶ一連の動作や、口や舌から入る感覚も脳の発達に重要です。口に入れてもしまっても安全なものを選びましょう。

素材や形の違うものを触らせてあげましょう

③手を伸ばすきっかけ作りをしよう

出生直後は、赤ちゃんは手足が自分の意思通りに動かせるという認識がありません。動くきっかけは興味があるものに手を伸ばすこと。赤ちゃんが興味を示すおもちゃを目の前に置くことで手の動きを誘発してみましょう。音がなる物や分かりやすい色のおもちゃを選択するのもいいです。赤ちゃん自身の体勢を変える(抱っこさせたり体を少し起こしてみたり)することも効果的です。

手を伸ばすきっかけ作り

④うつ伏せにして腹筋背筋のコントロールを覚えよう

環境を整えてうつ伏せにしてみましょう。背中をさする、トントンするなどして背部に刺激を与えて首を起こさせていきます。反射を抑制に加え、首だけでなく上体も起こせるよう腹筋と背筋でのコントロールを覚えることができます。また、これから寝返りやハイハイを覚えるためにも運動の基盤となる動作になります。

※大人がそばで見守り、固い布団で呼吸できるように姿勢をチェックしながら安全に行ってください。

赤ちゃんの“うつぶせ運動”が発達に良いって聞くけど、何が良いの?

うつ伏せで腹筋背筋のコントロール

赤ちゃんの“うつぶせ運動”が発達に良いって聞くけど、何が良いの?

⑤いないいないばぁ!で“前頭前野”を鍛える。

子供が大好きな『いないいないばぁ』という遊び。運動とは少し異なるかもしれませんが『いないいないばぁ』をすることは、頭の良さに繋がる“前頭前野”を鍛えるのにとても効果的です。

“前頭前野”の担う仕事の中には短期記憶(ワーキングメモリー)があります。短期記憶は、短期的に保持される記憶のことで、『いないいないばぁ』をすると短時間でも人の顔を記憶し忘れるを繰り返すので、効果的に脳を刺激するのです。

まとめ

生後2〜4ヶ月は、周りに環境に興味を持ち、自分の意思で動けるようになる時期です。赤ちゃんは動くことで周囲から刺激を得て脳や体を鍛えることに一生懸命です。この時期に周りで支える大人が赤ちゃんの興味や動くことを手助けしてあげることが、これから始まる寝返りやハイハイなどの基礎づくりに大切になってきます。

赤ちゃんと一緒に楽しく、スキンシップをとりながらやってみましょう。

参考文献

・森岡周.発達を学ぶ〜人間発達学レクチャー.協同医書出版社,2015,154p

・清野佳紀,小林邦彦,原田研介,桃井眞里子.NEW小児科学(改定第2版).株式会社南江堂,2005,668p

[注意]
本記事の内容は著者の専門家としての見解に基づくものです。ただし、特定の環境や個々の事例によって効果・リスクは異なる場合があるため、判断および行動による結果について責任を負うものではありません。安全の確保等は皆様の責任で行い、ご不安な場合はかかりつけ医に相談するなどしてください。

この記事を書いた人

理学療法士

古橋沙やか